• Updated on 28/01/2026

さて、闘いはこれから

Diplome

パイプラインってなんだ?

そもそも、大使館を辞めてPCで暇を弄びながら始めたコーディング。やがてHPが作れるようになり、フルスタックのディプロムも取った。
しかし、AIが進化し始め、「これでは、フルスタックのディプロムだけでは職に就けない。もっとAIの追いつけない分野に行かなくては」と思った。
Linkedinで、IT系の職種を眺めていると、やたら「DevOps」という求人が目に留まった。「DevOps」という意味もよくわからなかったが、どうやら需要がある分野で、しばらくAIに仕事を取られることはないらしい分野だと分かった。IT系で仕事をしたことのない人には、全く説明が難しい分野なので、私はいつも「クラウド系の仕事」と言っている。(DevOpsとは要するに、エンジニアがスムーズに仕事ができるように、開発環境を自動化・効率化するエンジニアのことである。)
クラウドといえばicloudしか知らなかった私は、まずは一番世の中で使われているMicrosoftのAzureやAWSといったクラウドの基礎から勉強を始めた。その程度の知識で会社のインターン(Alternance)の面接を受けたので、「主にパイプラインの修正などをやってもらいます。」と言われても、頭の中は正直「はあ…?」であった。

オタクたちとのフランス語会話から

ある程度予想はしていたものの、DevOpsとはフランスでもまだニッチで新しい分野。他に私のようなインターンはいたものの、「DevOpsのインターンなんて初めて聞いた」とよく言われた。また、エンジニアの中にも、「DevOpsねえ…?」と、知っているような知らないような顔をする人たちも多くいた。そして、やり始めてから気づいたことだが、DevOpsやSREのエンジニアというのは、だいたいこれまでFrontendやBackendで働いてきたエンジニアが、その後DevOpsやSREに傾倒していくようなのだ。つまり、私の一緒に働いていたクラウドチームのエンジニアの同僚たちは、最低10年以上はエンジニアとして働いてきたベテラン選手たちで、もちろんみんな男性。女子で、しかも私のようなアジア人は、エンジニア全体でもほとんど皆無であった。以前も書いたが、フランスには、同僚たち(しかも大勢)で一緒に長い昼食時間を過ごす習慣があるため、チームはよく自分たちの好きな日本のアニメやゲームや、時にはとてもマニアックな日本の映画の話を私にふってくれたのだが、それは女子一人の私を気遣っていたのか、それとも、やはりエンジニアたちは日本オタクが多いので、自然にその会話になったのか、今となってはわからない。普段は、私が理解できないテク用語を使ってマニアックなインフラの話をしていた彼らは、何となく私にもわかる会話をしてくれたのかもしれない。

詩を暗記しない国から来たがために

Emmanuel Macron

日本では特にエンジニアスクールを卒業したり、ディプロムを取得したりしないでも、企業で研修を受けてエンジニアになる人もいると聞いた。フランスでは、絶対にエンジニアになるには学位が必要である。私の最高学位は、日本の大学卒業であった。これだけではDevOpsのエンジニアにはなれない。そのため、43歳から私はオンラインで大学院終了の学位を取ることになった。通常これは1年で取得できるところなのだが、1年目は完璧に合格とはいかず(Partially Passed)、そのため、2年目新たにまた最初からやり直して、2年かかってやっと卒業証書をもらうことができた。前述にもあるとおり、通常はすでにエンジニアとして働いていた人が学ぶ傾向にあるため(最初にそう書いておいて欲しかった)、ほとんど初心者でさらに外国人の私には、とても難しかった。いや、実はテクニック的にはそんなに難しいことはなかったのだが、日本人の私にとって何より難しかったのは、実は審査員の前でのフランス語でのプレゼンテーションだったのだ。さすが、小さい頃から詩をひたすら暗記させ、何度もクラスの前で大袈裟に手を広げて演技をしながら詩を朗読させる国。フランス人はその甲斐があって、本当にみんなプレゼンテーションが格段に上手いのだ。そこへ詩を暗記しない国から来た私が、Powerpointを棒読みしても、合格するわけがないのだ。ちなみに、写真はプレゼンテーションが格段に上手いマクロン大統領。
そこで、私はマクロン大統領を見習って、少し手振りを大袈裟に、強弱や抑揚をつけて、フランス人になりきってプレゼンをしてみることにした。そしたら、なんと一発で合格したのだ。私に足りなかったのは、やはりこれだったのだ。